BiC建材LABOニュース Vol.7

注目商品紹介

<大建工業株式会社>  DAIKENサーバールームシステム

データセンターを構築する際、天井にケーブルラックを設置することにより、 床下ケーブルを無くし、床下スペースの確保、レイアウト変更が容易に行えるシステムです。

<株式会社テーオーフローリング>  国産材フローリング/Pランダム

北海道産材を中心に原木から調達し、乾燥(コンピュータ制御による含水率管理)、加工(サネ加工から塗装まで全て自社加工)、品質管理、出荷までを一貫して行っており、公共商業建築分野幅広いニーズに対応。 無垢フローリングのPランダムではナラ材とカバ材をラインアップ。

KJ-NETから見る建築計画の傾向

弊社サービス全国建築計画物件情報KJ-NET(以後、KJ-NETと略称)から毎月、建築計画の傾向をお伝えします。
今回もKJ-NETデータから見る2020年度の非住宅建物着工延床面積の傾向を説明します。

KJ-NETデータから見る2020年度の非住宅建物着工延床面積

今回は、2020年11月25日まで配信したKJ-NETデータを活用して、2020年度 延床700㎡以上の非住宅着工延床面積の状況を説明します。

【2020年度 延床700㎡以上の非住宅着工延床面積は、2,498万㎡】

KJ-NET2020年11月25日配信時点での2020年度の延床700㎡以上の非住宅着工延床面積は、2,498万㎡となります。これは、2019年度の同時点で比較すると11万㎡増(対前年度比106.1%)となります。
 建物用途別では、物流施設が642万㎡となり、2019年度と比較して140万㎡増(対前年度比127.9%)となります。また、物流施設以外で2019年度と比較して10万㎡以上伸びている建築用途は、教育施設、福祉施設となります。

 ※着工延床面積算出条件
KJ-NETより全国の700㎡以上の非住宅物件(民間・公共)、②工事種別は 「新築」「増築」「改築」、③工事進捗は「実施設計」「設計完了」「着工」 を対象に着工年度別で求めました。また、2020年度は、2020年11月25日配信時点まで集計、2019年度は、2019年11月25日配信時点まで集計しました。

KJ-NETの詳細についてはこちらから  http://www.bic-net.jp/n-kj-net/

業界動向【デベロッパーの動向】

①森トラスト、遊休不動産をレンタルスペースとして提供開始

森トラスト株式会社(本社:東京都港区虎ノ門)は、新たなライフスタイルを実現する場として品川区北品川に立地する同社の遊休不動産をレンタルスペースとして2020年12月1日より提供を開始した。
当物件は株式会社スペースマーケットが運営する、あらゆるスペースを貸し借りできるプラットフォーム「スペースマーケット」から予約が可能。

新型コロナウイルスの感染拡大により在宅勤務が急速に普及したことで、仕事とプライベートの時間的・空間的な線引きが難しい、といった課題が生じている中、コワーキングスペースなど自宅でも職場でもない「サードプレイス」への注目がさらなる高まりを見せている。立地や形態などに対するニーズが多様化している中で、同社が保有する遊休不動産を仕事とプライベートの両方で利用可能なレンタルスペースとして提供することで、多様化するニーズに応え、ユーザーの新しいライフスタイルの実現をサポートする狙い。

当物件は、閑静な住宅地が広がる品川御殿山エリアに立地し、同社の遊休不動産であった戸建て住宅(2階建て)をリフォームした内容。2階の床を全て撤去し、1階は壁を白色にすることで明るく開放的な空間へとリニューアル。設備面では、無線LAN(WiFi)を完備し、液晶ディスプレイやホワイトボードを用意した。利用人数に制限を設けており、三密を回避した上で、チームでの作業や会議といったビジネス利用から趣味などのプライベート利用まで、安心して快適に利用できる。

同社グループは、地域や社会に継続的・安定的に貢献することを経営の使命に、各事業を推進。今後もコーポレートスローガン「Create the Future」のもと、時代の変化に適応した柔軟な発想とアプローチで、同社の保有資産を既存用途に捉われず活用し、社会のニーズに応えていく方針。

■物件概要
所在地 東京都品川区北品川5-15-3
面積 32平方メートル
最大収容人数 6人もしくは8人 ※新型コロナ感染症の感染状況を鑑み、変更予定
設備 無線wifi、壁付ホワイトボード、壁付液晶ディスプレイ(PC接続用アダプター付)等
利用料金 780~4980円/時間

東京建物ほか3社、東京建物日本橋ビルで国内初のDBM導入

東京建物株式会社(本社:東京都中央区)は、株式会社テクサー(本社:東京都港区)とシリコンテクノロジー株式会社(本社:東京都世田谷区)の技術協力のもと、クラウドとZETA通信を利用した最先端のスマートビル管理システム「Dynamic Building Matrix/以下、 DBM」の実証実験を東京建物日本橋ビルにて開始した。なお、日本国内でのDBMの導入は東京建物日本橋ビルが初めての事例となる。

【DBMとは】 DBMは、ビル管理業務に必要な情報を統合可視化するクラウド型のビルディング・マネジメント・システム。
業務管理システム、設備・資産管理システム、3D 空間可視化プラットフォームなどで構成されており、ビル内の状況、点検業務、空気環境など、ビル管理に必要な情報をデータ化して統合可視化する内容。

紙などアナログな媒体に分散して記録されていたデータのデジタル化と統合を進め、属人化や経験則に頼っていたビル管理業務の最適化を進める。DBMの活用により、建物管理の最適化に留まらず、取得したデータの高度な分析・活用により新たな価値創造を想像するスマートビルディングの普及推進を目指す。

実証実験の目的では、東京建物日本橋ビルにおいてDBM の各機能を活用し、ビル管理業務の高度化、効率化に向けての効果検証を行うと同時に、ビル管理の視点からDBMの改善点を洗い出し、改善および機能拡張を推進する。
効果の検証後は、対象点検業務の拡大、センサーの追加などによる更なる高度化や効率化を検討する予定。

コラムコーナー

ニーズ(目的)とウォンツ(手段)

マーケティングとは、「顧客の真の欲求を満たす価値を創造し、その価値を多くの顧客が持続的に体験出来る状態を構築する。体系化された成長性を持った活動である」と、専門書には記載されていますが、私的に表現すると、「マーケティングは、売れる仕組みを創る」または「買ってもらえる顧客を探す仕組みを創る」と解釈しています。売るのではなく、売れるようにするのがマーケティングである。売れるようにするには、顧客のニーズ(目的)を知り、ウォンツ(手段)を知る。

例えば、マンションリフォームの話ですが、施主の家族構成は、両親と子供(中学生)の3人とペット1匹(犬)。施主からの依頼で、築30年のマンションリフォームの設計を依頼される。知人の設計士は、施主の家族構成を考えて、思春期を迎える子供部屋を広く設計提案したが、却下されました。その理由は、ペットの部屋が設計されていなかったことが理由です。

施主の考えは、子供は、いずれ家を出ていく。その子供部屋を広くしても意味がない。ペットは、いずれ死ぬかもしれないが、新しく飼うことが出来る。だからペットの部屋を設計して欲しいとのこと。施主のニーズは、子供が家を出て行った後の「癒し」であり、ペットと暮らす生活を描いていたんですね。当然、知人の設計士は、事前にヒアリングはしていたと思いますが、施主のペットの思いが、それほど強いとは気づかなかったようです。この場合、ニーズが癒しの生活で、ウォンツがペットになりますかね。

もう一つの例は、イタリアンレストランのオーナーシェフから、新規店舗開設の設計依頼の話です。設計はコンペでした。知人の設計士は、内外装、什器、テーブルや椅子、全てをイタリアン風に設計デザイン。しかし、どの設計士の提案も似たようなデザインばかり。オーナーシェフは納得いかなかったようです。なぜなら、オーナーシェフは、美味しいレシピをお客様に喜んでもらうのが目的であり、内外装を綺麗に設計デザインすることではないからです。
結局、知人の提案はコンペで通ったものの再検討を強いられました。そのために行ったことは、オーナーシェフの料理のこだわりとレシピのヒアリングです。自分が提案した内外装のデザインとオーナーシェフのレシピがマッチしているかどうか、更に、地域食材の情報を集めて、素人ながらレシピの提案を行いました。まさか、自分がイタリアンを勉強するとは思わなかったと嘆いていましたが。その努力があって、オーナーシェフを満足させることで、最終的に知人の提案が認められました。
この場合のニーズは顧客の満足。ウォンツが美味しいレシピで、内外装はその次だったんですね。
ニーズは目的、ウォンツは手段。これが、ちぐはぐになると施主を満足させることは出来ません。気をつけたいものです。

ベーシックインフォメーションセンター(株)
代表取締役 伊藤敏郎

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