健康経営オフィスへの取り組み

今回は、働き方改革に伴い、ワーカーの業務改善、オフィスの環境改善、そして、ワーカーの健康維持の対策をオフィスPM事業者(オフィス構築プランナー、設計士)は、「どの様に考えて設計やデザインをしているのか」を知りたく、その取り組みについてお話しを伺いました。

健康経営オフィスとは

経済産業省が2015年に健康寿命延伸産業創出推進事業として策定した「健康経営オフィス」、2014年に米国で策定された「WELL認証」などでは、ワーカーの健康(心身)に配慮することで業務効率を向上させる要素(項目)が提示されています。
特に経済産業省は「従業員の健康づくりは企業の存続と成長の為の投資」として①快適性を高める、②体を動かす、③コミュニケーションする、④適切な食行動をとる、⑤休憩・気分転換をする、⑥清潔にする、⑦健康意識を高める、という7つの要素を挙げています。その一方で、WELL認証は①空気、②水、③食物、④光、⑤フィットネス、⑥快適性、⑦こころ、という具体的な7つの概念にそれぞれ一定の認証基準を定めています。
両者では実現する為のハードルに大きな隔たりがありますが、概ね「健康経営オフィス」と「WELL認証」からも分かるように、オフィス市場は、健康経営オフィスの取り組みを意識していると言えます。

健康経営オフィスの実際

しかし、健康経営オフィスの取り組みは、施主の意向に大きく左右されます。「売上に直結する内容には経営者は高い関心を示しますが、効果判定・数値化が難しい健康経営オフィスの構築には、多くの投資をしたがらない経営者が多い」とのこと。時には提案自体に憤慨する施主も散見されるそうです。また、テナントビルに入居する施主の場合は、WELL認証が求める事柄の実現が非常に難しい。「空気」で実現しなければならない要求事項では空調機器のカスタマイズなども行わなければならないので、特にWELL認証の取得はハードルが高いのです。

WELL認証とは・・・建物の性能としてLEEDやCASBEE等で評価されてきた環境性能に加えて、建物内で暮らし、働く居住者の健康・快適性に焦点を当てた世界初の建物・室内環境評価システム。公益企業であるIWBIから2014年10月20日にv1.0として正式公開され、開始された。
健康経営オフィスの今後の方向性

現実的な健康経営オフィスの取り組みは木目調の壁材や床材、自然由来素材の建材を使用したり、電動昇降タイプのデスク、体幹を鍛えるデスクチェアの採用、植栽の多用などが多くなる傾向にあります。
また、照明の照度を落としてワーカーがリラックス出来る空間づくり、木製床材の採用も取り組みやすい内容になります。
現状では取り組みがあまり進んでいない健康経営オフィスですが、今後は働き方改革での業務効率化や、快適なワークスペースを構築して優秀な人材を獲得したいと考える施主も増加すると見られており、提案を強化したいと考えるオフィスPM事業者が増加傾向にあります。 

【担当:相馬 義輝】  

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