今回より、弊社とお付き合いのある設計事務所の設計者の方と建築業界に関して情報交換した内容をお伝えしたいと思います。12月に入り、大手設計事務所様を数社回っているなかで、とても興味深いお話を伺う事ができました。それは、多くのオフィスビルがここ1~2年で寒くなっているという事です。
オフィス機器/設備、環境の変化

以前のPC用モニターにはブラウン管タイプが使われていましたが、液晶へのシフトがほぼ完了した事、照明も従来の蛍光管からLEDへシフトした事、ワーカーの効率化(人員削減/レイアウトの分散化)で、従来よりオフィスで生じる発熱量が20%以上も低減しているとの事です。
それにオフィスビルは設備面から省エネを図る傾向もあり、無暖房化も進んでいるそうです。かつてはガラス窓付近から温風を出す空調もありましたが、それもペアガラスの採用などで減り、特に年末年始休業明けはオフィス内が完全に冷え切ってしまう。それでも、人が集まって業務をしていると、それなりに暖まってくるので深刻な問題にはなりえないのだとか。
技術進化と共にオフィス内の環境が変わっても、「身体の冷え」には何も良い事がないので、建築にとっては「身体の冷え対策」が大きな課題ともなっているようです。暖房光熱費を節約する為に寒さを我慢しても、身体に良い訳がありません。
究極の断熱は究極の省エネにつながる
以前に断熱材メーカーの開発部長様から、「究極的に住宅の断熱性/気密性を高めれば、小さな電気容量のエアコン1台だけで全館空調が実現する」、といった省エネ化のお話を伺ったことがあります。思えば、建築の断熱向上は冬季や夏季を問わず、極めて重要な課題であり、普遍的なテーマである事を改めて考えさせられます。

まだ建築では多用されていませんが、「真空断熱材」という既存の断熱材より熱伝導率が1/10以上も低い断熱材も建築用の開発が進んでおり、設計者も注目しています。改修用途の金属外断熱パネル化や、病院厨房機器と近接する躯体用の結露対策用パネル、断熱ダクトなどが考えられています。コスト高は外装用金属パネルであれば何とか吸収でき、当面は高付加価値商品として展開して需要拡大を図っていくべき、と仰る設計者が多くおられました。
【担当:相馬 義輝】