梅雨入りして、寒暖の差が大きい6月終わり、引き続き設計事務所へ足しげく訪問させて頂いております。
今回も設計士とお話させて頂いた内容をお伝えしたいと思います。
調湿・消臭機能を特長とする内装仕上げ材はどこに需要があるか

調湿性と消臭性を併せ持つ湿式内装仕上げ材について、その商品評価を伺くべく大手建築設計事務所を訪問しました。湿式でコテやヘラで材料を壁面に塗り上げていく商品なので、手間はかかるものの、仕上げは一般的な壁クロスと比較してデザイン性が表現出来る商品です。その用途については、高齢者福祉施設が良いのではないか、という意見が多く聞かれました。
高齢者福祉施設の入居者はわびしい気持ちになりがち

なぜ高齢者福祉施設なのかとも思いましたが、設計士の方が仰るには「介護の問題等で施設に入居せざるを得なくなったお年寄りの方は、湿式建材の家で過ごして来た人が多い。最近のモダンな家で多く使用される壁クロスの部屋に長い時間いると、見慣れない空間にいることもあって、『施設に入れられ、見捨てられた』と思う傾向がある」そうです。
そのようなお年寄りの心象を気遣う目的や、消臭性の効果も期待出来れば、高齢者福祉施設での需要があるのではないか、とのご意見でした。ただし「身体が壁に触れた際に擦れる危険性があるので、デザイン的に凹凸を付けるのは避けた方が良い」とのアドバイスも頂きました。
病院の内装仕上げ材はコストありきの傾向

高齢者福祉施設が良いのであれば、病院はどうでしょうかと尋ねた所「病院はコストに厳しい施主が多く、可能性は低い」との事でした。病院では、1㎡あたり500円程度の壁クロスが多く使用される事が多いそうです。そう言われれば、病室の壁面はあまり印象がない“無表情な壁”が多いような記憶があります。もちろん、病室のグレードによっても違いますが「意匠性のある内装仕上げ材ではなく、防汚性があったり、汚れたら容易に張り替えできるような内装仕上げ材=乾式建材が求められる傾向」とのご意見を伺いました。
高齢者福祉施設は高級化志向の施設が増加傾向

地域によって違いますが、東京近郊の高齢者福祉施設は概ね供給過多になりつつあるそうです。入所率も90%台であり、高齢者福祉施設は他の施設と差別化する為、エントランスをはじめ入居者の親族に好印象を与える意図で高付加価値の建材が使用されるケースが増えています。「エントランスは施設の顔であり、施設全体も実用性と高級感を併せ持つような建材が好まれている」との事でした。
【担当:相馬 義輝】