照明設計に対する設計士の思い

6月中旬から梅雨入りを迎えていますが、曇りの日が多く、降雨量が少なく感じます。外勤にとっては快適な環境で、今月も設計事務所へ定期的に訪問しており、設計士の方から伺ったお話をお伝えしたいと思います。

オフィスビルの照明設計の範囲

今回、照明器具の専業メーカー様からの要請があり、新たに開発したLED照明器具の評価を伺う目的で設計事務所へ訪問しました。用途として屋内は無論、屋外の路面に敷設出来る商品であり、耐久性にも特長のある商品です。かねてから懇意にして頂いている設計士へアポイントを取り、訪問させて頂きました。例えば、オフィスビルの照明設計を説明すると、①ライトアップデザイン、②外構/ランドスケープライティングデザイン、③ロビー/パブリックスペースライティングデザイン、④共用部ライティングデザイン、⑤占有/賃貸部ライティングデザインに分かれ、一口に照明設計と言っても、細分化された要素を留意して進めていかなければなりません。また、上記の④共用部ライティングデザインと⑤占有/賃貸部ライティングデザイン以外はA工事区分にあたる内容となります。

照明設計の役割分担

照明設計は建築内外の重要な要素でもあり、照明設計専門のコンサルタントが担当する場合もあります。役割分担として、設計士と照明コンサルタント以外に照明デザイナーがおり、環境設計(建築物外側全体の照明)、空間設計(執務室、建築内部)、器具設計(照明器具、照明器具が醸し出す雰囲気)へ更に分類されます。
照明デザイナーは、法規に基づく受電/配電(工学的知識)、照明の弱電(コンセント等)、照明器具等の規格/安全性知識に長けており、建築に見合う具体的な照明器具を選定します。その他、インテリア照明器具を選定したりしますが、これらはB工事、C工事の区分になるケースが多いそうです。照明デザイナーはインテリアデザイナーとも連携して、より快適かつ実用的な建築内空間の照明を作り上げていきます。

設計士と施主の光源に対する拘り

ある設計士の方から実際にあったエピソードを伺いました。自動車メーカーのショールーム案件で、メーカーのシンボルカラーである「赤色」が綺麗に見えるように、実に緻密に照明設計を手掛けたそうです。しかも、夜間の屋外から見て、如何にボディーカラーの「赤色」が映えるかがポイントで、その為に照明器具メーカーとも綿密に打ち合わせをして、最適な器具を選定したとの事でした。また、別の案件として飲食店舗のお話も伺いました。これも同様に、如何に食材が綺麗に見えるか、とことん突き詰めて照明設計を行ったそうです。その飲食店舗では、焼肉を中心に提供しており、牛肉とキムチの「赤色」が来店者の食欲をそそるように照明をアレンジ。確かに、焼肉店でお肉が美味しそうに見え、実際に美味しければリピート注文=売上増に直結しますので、店内照明は非常に重要な要素です。更に、食品小売店の照明についても言及され、ショーケースに陳列された野菜をはじめとする食材を照らす照明は、如何に鮮度の高さをアピール出来るかが重要です。白色をベースに照明が当たる角度も含め、緻密なプロのテクニックが必要になります。

照明器具を買いたいのではない、光を買いたい

照明設計について設計士の方に様々なお話を伺う中で、印象深い言葉があります。「(我々設計士は)照明器具を買いたいのではなく、光(光源)を買いたいのです。」と言われた時はハッとしました。マーケッターは、どうしてもクライアント側のメーカー目線で話をしがちですが、設計士の方は違います。設計士にとっても「調達しやすい照明器具である事」も大切ですが、何よりも重要なのは、「本質的に必要視する光」であると、改めて考えさせられました。  

【担当:相馬 義輝】  

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