12月も後半となり、1年が過ぎる早さを感じる今日この頃です。引き続き、今月も設計事務所へ定期的に訪問しており、その中で伺った設計士のお話をお伝えしたいと思います。
設計を行うツールは何が良いのか
設計事務所で設計を行う際は2Dや3DのCADソフトを使用する事が一般的ですが、あるソフトウェアベンダー様からの依頼で、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトの普及度合や使い勝手に関するヒアリングを定期的に行っています。今月もその定期訪問をしている中で、色々なお話を伺いました。ある設計事務所様では、数年前にBIMソフトを導入したものの、手間が煩雑で、活用していない、別の設計事務所様では、ようやく1件目の実績を作ったばかり。設計プロセスまでの適用で、積算プロセスまでは実施出来ていないが、かなりのコスト削減効果が見込めると笑みを浮かべる設計士様。また別の設計事務所では、逆に質問されて、「他の設計事務所さんはどう取り組んでいるの?」と興味深々の様子。設計士の皆様はこれまで2Dの設計ソフトに慣れ親しんでいる方が多いようで、新たな取り組みは大変なようです。「自分が設計を始めた頃はCADも珍しい時代だった」と回顧される設計士もいらっしゃいました。
BIMソフトの良さは分かっているものの
BIMソフトを使用する事で、設計に係る情報が全てデジタル化され、電子データで記録に残ります。必要なユニット部材の数量もすぐ分かり、設計面から積算、施工監理までの効率向上も見込めます。ただ、建築といっても躯体設計や内装設計等で設計部署が異なる場合、使用するソフトで互換性が保てない場合があるとデータ連携が取れない。使いにくく感じる。日常の設計業務は待ってくれないので、とりあえず2DのCADソフトで設計業務を再開する、といった具合に、じっくりとBIM導入に取り組めないのが実情のようです。また、BIMソフトの導入では、ITリテラシーの高い若手の設計士に期待が掛かります。設計業務は分かっている前提で、数値やこれまでのCADソフトと比べれば煩雑に感じる入力作業も、若手の設計士はスムーズに進めて行ける。なので、BIM導入の先陣を切る人財は、若手に託す設計事務所が多いように感じます。とはいっても、熟練した設計士の方でも、テキパキとBIMソフトを使いこなしている方もおられ、その理解力の高さや、応用力には頭が下がる思いです。
内装デザイン事務所ではBIMソフトは一般的なツール
意外、といったら失礼なのかも知れませんが、先進のBIMソフトは内装デザイン事務所では一般的に導入されているそうです。とある内装デザイン事務所様で伺うと、BIMソフトにも種類があり、BIMソフトによる内装設計もさることながら、プレゼンテーション機能が充実しているBIMソフトがあり、デザイン性の訴求では有効なんだとか。
内装設計作業だけでなく、他の色々な機能性も併せ持つBIMソフトは、とっつきづらさはあるものの、今後の設計業務では必要不可欠なツールなのかも知れません。今後の動向が気になる所です。
大手設計事務所やゼネコンから導入が進んでいく
BIMソフトの有効性や必要性は分かっているものの、デベロッパーやゼネコンからの要請に対応する形で、今は限定的に使用する設計事務所も散見されます。大手の設計事務所様でも、「他社の取り組みをじっくり見て、様子を伺っているんですよ」と慎重な姿勢も見られます。その設計士の方が言うには、「BIMソフトの導入はこれから本格化していく。世間的には導入している設計事務所が多いと言われているけれど、実際の稼働率はまだ低い。今はちょうど過渡期で、大手の設計事務所やゼネコンが取り組み出して、それに牽引されて導入が進むと思う。大手自動車メーカーと、部品供給メーカーの相関みたいな感じになるんじゃないのかな」との事でした。それを聞いて、なるほど、これから徐々に導入や本格稼働が進んでいくのか、と感じた次第です。
【担当:相馬 義輝】
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