5月を目前にし、気温も大分暖かくなってきました。じきに訪れるであろう初夏の気配を感じながら、弊社では継続して設計事務所へ定期的に訪問し、様々な建材商品のテストマーケティングを行っております。
施主への建材提案は時として有効
建築業界で建材商品をPRする対象では建築士が一般的だと思いますが、たまに建築士から「施主へ提案してみたら?」と言われる事があります。意匠性に特長のある建材や新機軸の建材は、建築士も検討しますが、施主の意向も影響します。実際に施主へ訪問してみると、「建築設計は全て建築士へ任せているので、個々の建材の事はよく分からないんですよ」と言われる事が多い中で、稀に施主(特にデベロッパーの方)が提案した建材に関心を持って貰える事があります。デベロッパーの建築物件担当者は過去に建築士だった方も多く、その観点から建材を評価して頂くケースもあります。また、飲食店や施設を多く手掛けている施主になると、店舗経営の傍らで「こんな建材があればいいのに」と自社店舗で有用な建材を意識されています。もちろん、施主自ら建材の選定に多くの時間は使えませんので、施主が懇意にしている建築士やデザイナーへ再度立ち戻るケースもあります。ですが、そうなると施主にも見て頂いた上での提案になり、これまで採用した事のない建材であっても、建築士の見る目も多少変わってきます。
施主が懇意にしている設計事務所やデザイン事務所は重要
施主が懇意にしている建築士やデザイナーは概ね決まっていて、そういったキーマンを特定する事はとても重要です。大手ホテル事業者、全国展開する飲食事業者、その他にも多くの業態でキーマンが存在します。過去にどのような経緯で今に至っているのかは施主によってまちまちです。しかし、施主の考える事や望む事が分かる間柄であるので、施主はキーマンへ多くの裁量を与える場合が多くあります。そういった相関関係を踏まえ、キーマンとの関係性を構築する事でスペックインの可能性や確度が変わってきます。
基本に忠実でもマンネリ化させないアレンジ
特定の施主から設計やデザインを受注する建築士やデザイナーは、施主の志向を知り尽くしているので、過去に評価が高かった内容(空間イメージ、機能性など)に準じて設計/デザインしていきます。ただし、いくら高評価であっても、同じような空間づくりを続ける事はしません。建築の立地やコンセプトに合わせて、アレンジを加えていきます。東京都の日本橋界隈であれば和風のテイストを高めたり、横浜や神戸といった港湾都市であれば、異国情緒を感じさせるデザインにする等の工夫です。高級飲食店のデザインでも、暖色系という基本の空間色はおさえながら、チーク、マホガニーといった高価な無垢木材を使ったり、オニキス等の天然鉱物をスライスして貼り付けたデザインガラスを使ってみたり、とマンネリ化させない工夫やアクセントを加えています。施主企業のコーポレートアイデンティティーを遵守しつつ、建築のコンセプトを際立たせる空間づくりの為に、適切・必要な建材を選定していきます。
採用必然性の感じられる新しい建材を
建築士からは、「建材の種類や内容によって異なるが、なぜその建材を使うのかが重要」だとよく伺います。その建材が持つ特長や機能性はもちろん、コストや扱い易さや施工のしやすさ、入手しやすい事、建築のコンセプトに合うか、といった様々な条件をクリアする事が求められます。過去に実績の多い建材はそういった個々の要素を持ち合わせている事が挙げられますが、既存品よりも良くて新しい建材の登場を期待する建築士の多さを肌で感じる昨今です。
【担当:相馬 義輝】