湿式内装仕上げ材の評価

10月中旬から急激に寒さが増しており、体調管理を新型コロナだけでなく風邪にも気を遣うようになっています。今月も設計事務所へ定期的に訪問しており、その中で伺った設計士のお話をお伝えしたいと思います。

最近の内装仕上げは単調

現在、機能性のある湿式内装仕上げ材(塗り壁)について、設計士様のご意見や採用意向を伺っておりまして、非住宅/住宅を問わず設計事務所へ訪問しています。機能性というのは、調湿効果と消臭効果であり、塗料に含まれる自然由来成分(珪藻土と貝殻の粉末)の効能です。設計士からは、近年の内装仕上げはすっかり乾式に切り替わってしまい、湿式の内装仕上げは減少が著しい、との意見が多く聞かれます。それは左官屋さんの減少や、左官によってコストが割高になる事、建築によって内装のイメージを選ぶ事等が挙げられます。㎡単価で数百円~2,000円程度の乾式の内装仕上げ材が多い中で、その2倍近いコストを掛けて湿式の内装仕上げを選ぶのは、相当に意匠性で拘りが必要な物件になるだろう、とのご意見を多く頂いています。確かにそうだと思います。でも、設計士によっては、「最近の内装仕上げは乾式が中心で施工性が向上しているが、単調で面白みがないよね。ちょっと検討してみようかな」との御意向をお話頂ける事もあります。最近の乾式中心の内装仕上げに対して、少なからずとも不満を感じている方もいらっしゃるようです。

意匠性の高さは主張が強くなる懸念あ

湿式の内装仕上げ材の良さは、その現しにも影響を受けます。湿式仕上げは左官業者の腕前によって、意匠性をアレンジする事が出来る事も魅力です。壁面に対して均一平坦に塗る事はもちろん、大胆な現しを創り出す事も出来ます。この意匠性については好みが分かれる所ですが、あまり凹凸が大きかったり、大胆なパターンにすると、好き嫌いの差が激しく、公共建築には向かないかも知れない、とも設計士からご指導頂きました。確かに、派手なデザインが好きなひとと、そうでない人に分かれるような内装仕上げは、多種多様な人が出入りするような建築や場所では使いづらいそうです。また、内装仕上げが空間全体のバランスを崩す事になっては本末転倒です。
また、現しを大きくする事で、壁面の凹凸が大きくなり、触れた際に手を怪我したり、清掃性が低下する(埃や汚れが落としにくくなる)といった実用面での都合の悪さも出てくるといった設計士のご意見は、非常に重要な内容です。

非住宅ではロビーやエントランス、戸建て住宅が狙い目

湿式の内装仕上げ材は、乾式の内装仕上げ材と比較して施工性や清掃性に劣る為、大面積では使いにくい。使うとすれば、ビルのロビーやエントランスで人の手に触れない部位(壁面の上方)や、コロナ禍で需要が増えている戸建て住宅の内装で使うのが良いのではないか、というご意見を頂きました。特に戸建て住宅では、健康志向の高まりや、小さなお子様がいらっしゃる家庭で調湿効果を狙いとして使う事が望ましいのではないかとご指摘頂きました。確かに、今や戸建て住宅の市場は注文住宅の比率が高く、予算的にも見合うのではないかと思います。

機能性は数値化して同条件で比較したい

意匠性だけでなく機能性を訴求する湿式内装仕上げ材ですが、その効果がどの程度であるのかに質問が集中します。各メーカーから調湿効果や消臭効果を訴求する内装仕上げ材が多く上市されていますが、各メーカーとも同じ環境下(条件)で効果を計測していないのではないか、というご指摘を頂いています。確かに、同じ計測環境で試験していなければ、比較検討に至りません。そのような意見もメーカーに進言し、より良い建材開発のお手伝いを続けていきたいと思います。  

【担当:相馬 義輝】  

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