早いもので2025年も2ヵ月が過ぎ、春を迎えようとしております。日中の気温は徐々に暖かくなってきておりますが、陽が沈むと、まだ肌寒さを感じるものです。4月、5月ともなれば、暖房を使用する頻度も減り、心地良い気候になります。
ところで、近年は災害が多く発生しており、簡易に建築でき、暖をとる事が出来る仮設ハウスの需要が増えています。仮設ハウスといっても様々あり、断熱材が使用されているもの、高強度を訴求するもの等、多様な商品が上市されています。いずれも短工期で施工出来る事から、災害発生時には特に需要が高まる「仮設ハウス」の市場について俯瞰してみます。
仮設ハウスは非常に様々な商品や工法がある
一口に仮設ハウスと言っても、非常に多くの商品があります。元々、自宅の敷地内に増築する目的で商品化されたもの、災害用に限定せず、店舗にみるような非住宅用途での使用も考慮したもの、3F建てにも対応するような、「システム建築」に近いもの、建設現場の事務所に適するような簡素なもの等、様々です。
基本的には既存の建築よりも短工期で施工でき、コストも安価に抑えられる商品が好まれる市場であり、特に災害発生時には迅速な対応が求められます。過去の事例では阪神淡路大震災、東日本大震災等の広域かつ被災者が特に多い震災を中心としながら、昨年の能登半島地震や集中豪雨等の災害に対応する形で内閣府がプレハブ建築協会等に手配を依頼し、各仮設ハウスメーカーが供給する流れになります。
仮設ハウスの市場動向
仮設ハウスの市場動向は、上記のように様々な種類や分類がある事から、一緒くたにする事は出来ません。大手の仮設ハウスメーカーでは年間に30,000棟前後の供給を行うS社、次いで20,000棟前後の供給を行うN社をはじめ、様々なメーカーが仮設ハウスを供給しています。これらの棟数は発災の影響を受け、災害の規模に応じて棟数が増減します。
また、仮設ハウスは中古の流通もあり、一度使用しても再利用出来そうなものは、メンテナンスして再利用されます。
リース/レンタル向けの出荷も多く、80%程度は平屋建ての商品です。今後に発災が予見されている災害として「南海トラフ大地震」「首都直下型地震」がありますが、そのような大規模な震災が起きた場合に供給しきれるのか、メーカー各社も読み切れない部分が大きいようです。
より居住性の高い仮設ハウスを
かつての古い仮設ハウスは、最新の仮設ハウスと比較して、断熱性や防音性の面で劣るものがありました。近年に仮設ハウスメーカーが上市する仮設ハウス商品は、発泡系の断熱材を採用したり、換気が充分に行え、居住性は向上しています。また、一定の規格サイズはありながらも、自由設計にも対応する商品もあります。プライバシーを保護しつつ、災害復旧が完了するまで生活する住み家ですので、より使用者のニーズを汲みつつ、経済合理性を充足させた商品を開発し続ける必要性が感じられます。
今後の仮設ハウスに望む事柄
仮設ハウスは基本的には永住する建築ではなく、建築作業に係る利便性(簡易施工・短工期・省コスト等)を優先させた商品です。それ故に災害時の緊急用として使用されるケースが多く見られます。プレハブ建築協会にヒアリングしたところ、発災があると仮設ハウスの手配に追われ、供給がままならない状況もあるとの事でした。しかし、今後は発災があって初めて手配する(対処)するのではなく、近い将来に起こるであろう発災とその対応を事前に準備して供給する、といった「先手を打つ対応」が求められていくのではないかと感じます。 (担当:相馬 義輝)
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