先月号のマジックミラー調査の話、如何でしたか。今月号は「覆面調査(ミステリーショッパー)」について話をしたいと思います。覆面調査とは、正体を明かさず調査することであり、接客サービスを改善するための手法。アメリカの店舗では多く行われている調査で、ファーストフード店や小売店、銀行、など対面販売を行なっているほとんどの店舗で導入。弊社も調査の目的によっては、覆面調査を導入しています。但し、建設分野のマーケティングを生業にしているので、住宅展示場、住宅設備機器SR、リフォーム会社、などの接客対応や満足度を評価する覆面調査が多いのが特徴です。
住宅展示場の場合。
対象住宅展示場を数ヵ所選び、さらに、選んだ展示場の中から対象とするハウスメーカー数社を決定。そのハウスメーカーに覆面調査を実施。調査内容は、担当者が説明する間取の説明内容や間取りの順番、説明時間(技術的、デザイン、機能性など)。説明を終えた後のリビングコーナーでの対応。例えば、お茶の出し方、展示場来場の目的、購入検討の有無や時期。家族構成や暮らし方など担当者の話す態度や説明の仕方の確認調査。結構確認するチェック項目が多いんです。でも、一番大変なのが、覆面調査をするモニター選び。住宅展示場の場合、1名では不信がられるので、男女2名で家族と思われることが条件。この2名の組み合わせを年齢や雰囲気で選ぶので、面白くもあり大変。
住宅設備機器SRの場合。
例えば、システムキッチンのSR(ショールーム)の覆面調査の内容は、基本的には、住宅展示場と同様に、対象SRを数ヵ所選び、男女2名で家族と思われることが条件。住宅展示場と異なるのは、新築か改築か、どの程度のキッチンスペースを確保したいのか、食器や調理器具の収納スペースなど具体的なキッチンの使い方や条件を決めておかないと当たり前の話しか聞けない。接客対応の深堀調査が出来ない。従って、事前に、キッチンスペースの仮説を立てるのが面白くもあり大変。場合によっては、アンケートに購入希望時期を書かされ、そこには、住所や氏名も書かなければならない。当然、住所や氏名は嘘を書けないので、それを書くことが可能なモニターを選んでいる。
リフォーム会社の場合。
リフォーム会社の場合が一番難しい。それは、リフォーム会社の覆面調査は、支店や営業所とショールームが併用していることが多く、ショールームと言っても製品や部材を並べているだけで、より具体的なリフォーム内容を提示しなければならない。なぜならリフォームの場合、製品をPRするよりもリフォーム工事を受注するのが目的。営業担当者からは、リフォーム物件の住所、リフォーム箇所、築年数、予算などを聞かれるので、キッチンのSRと同様に、事前に仮説を立てておかないと接客対応の評価ができない。この場合のモニターは、リフォームに関心を持つモニターを選ぶのに苦労する。

弊社の覆面調査は、小売店や飲食店などの覆面調査とは異なり、難易度が高く、仮説立案の準備、モニターのリクルートに時間がかかる。しかし、マジックミラー調査と同様に、人間観察としては実に面白い。説明の上手い人下手な人。消極的な人積極的な人。声の高い人低い人。人それぞれであるが、評価や満足度の高い担当者の傾向は、他社との比較で優位点を説明できる人。企業のポリシーを説明できる人。業界動向を把握している人の好感度が高かった。