マジックミラー調査は感動と歓喜

マジックミラー調査。聞いたことありますか。あまり聞きなれない調査だと思います。分かりやすく言うと、刑事ドラマでよくみる取調室。刑事が犯人へ尋問している状況を隣の部屋から参考人が見ることができる部屋。犯人から見れば、その取調室に設置されているのはただの鏡。しかし、参考人がいる部屋から見ると、その鏡はガラス窓。
その様な部屋を使って調査するのをマジックミラー調査といいます。特に、グループインタビュー調査、フォーカス調査、など深層心理調査(定性調査)を行う際に、用いる調査手法です。

この手法を用いた調査の話です。
クライアントは、大手ハウスメーカー。調査目的は、『住宅購入を意識してから決定までの経緯と選んだ住宅の理由』を明らかにすること。対象は、戸建住宅を購入して3年経過した対象者。マジックミラー調査を採用したのは、住宅購入を意識してから決定までの経緯について、新聞広告や雑誌広告、TVCM、展示場、など何が住宅を購入する引き金になったのか、住宅購入を意識してから決定まで、どの様な行動をとったのか。資料をたくさん取り寄せたのか。展示場へ何回も足を運んだのか。そして最終的に、誰がどこのハウスメーカーを選んだのか。最終決定者はご主人か奥さんか。はたまた子供達か。その様な質問をするのは、通常のアンケートでは限界であり、マジックミラー調査を採用しました。

調査設計は、東京近県の主婦18名を対象。内訳は、30歳代6名。40歳代6名。50歳代6名。18名全員に調査したら深層調査が出来ないために、年代別に各々約2時間、延べ約6時間マジックミラー調査を実施。主婦18名をリクルートするのは思いのほか大変でした。弊社がモニター組織化している「住まいるレディ」でも、戸建住宅を購入して3年経過した対象者となると条件が厳しく、紹介の紹介の紹介で、東京都12名、千葉3名、埼玉2名、神奈川1名の対象者をリクルートすることが出来ました。それだけの高額な謝礼も用意しましたが。

鏡が付いているグループインタビュー室にはモデレーター1名に対象者6名。そして、隣の部屋には、クライアント5名、広告代理店3名、弊社スタッフ2名、合計10名。対象者よりも人数が多い。
対象者が購入した住宅は、ハウスメーカー11名。工務店・ビルダー7名。対象者には、クライアントの住宅を購入した方や検討したが購入に至らなかった方もいて、購入に至らなかった方のクライアントの悪い理由を聞くたびに、クライアントの顔が引きつる。まず、「CMと実際の家が違う」「戸建て住宅よりアパート」「デザインが古い」「高級感がない」、など。勿論、「動線が良くできている」「収納のアイデアが良い」「木質感が良い」、などの意見もありましたが。

しかし、時間が経つにつれ、本音が出るわ出るわ。面白かったですね。
住宅を購入するのは、確かにブランド力、デザイン力は重要ですが、最終的には、人間力、提案力、スピード力でした。なぜなら、営業担当者が何回訪問したか、展示場でどんなサービスを受けたか、顧客の意図をどれだけ理解して提案したか、課題に速やかに対応したかが決め手だったからです。対象者の中には、営業担当者が若くてイケメンだから決めたとか、事務所に行く度にお弁当を出してくれたとか、展示場に行った翌日に提案書を持って来たとか。普段聞けなかった話を聞かせてもらいました。要するに、歓喜と感動をいかに顧客へ与えられるかが分かったマジックミラー調査でした。

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