清洲橋編

老朽化したインフラへの維持管理の重要性が叫ばれて久しい。ICTの導入が点検から施工、納品まで多様な面で推進されている。同じく土木への関心度向上や観光資源化を目的としてインフラツーリズムが提唱されてこちらも数年が経つ。本レポートでも以前「首都圏外郭放水路」を取り上げた経歴がある。同じ土木の範疇でありながら趣の異なる二つの要素であるが、「長寿命化工事」と「ライトアップリニューアル工事」が同時期に行われている工事がある。
清洲橋(きよすばし)だ。

清洲橋について

東京・隅田川にかかり、西岸は中央区日本橋中洲、東岸は江東区清澄一丁目となる。1928年竣工。橋長は186.3m、幅員は22.0mの自碇式鋼鉄製吊り橋で、東京大空襲の際にも焼け落ちることなかった。2000年に永代橋と共に土木学会の「第一回土木学会選奨土木遺産」に、2007年に都道府県の道路橋として初めて国の重要文化財(建造物)にそれぞれ指定されている。ドイツの橋をモデルに作られた共通点のある永代橋と対で語られることが多い。

工事は大詰め

既に橋面舗装や伸縮装置取替え、道路照明改修など各種工事は完了し2020年3月の全体竣工に向けて仕上げの段階。訪れたときは塗装工を行っており橋名板の作業の最中。レリーフには凹凸があり難易度は高く見えたが、緻密な筆使いに感動を覚えた。
ライトアップリニューアル工事も2019年12月に竣工している。しかし、試験点灯などがまだの為、本格的なライトアップは先になる(東京都建設局によると「スケジュールが決定次第公表する」とのことだ)。現在は車両・歩行者用の仄かな明かりと、足場に附属した工事灯、そして周りの明るさゆえのシルエットが浮かび上がり、今でしか見れない独特の味わいがある。工事竣工を迎える桜の季節には昼夜賑わいを見せるだろう。

維持管理と魅力

橋は重要なライフラインの一つだ。その実利的なインフラの維持管理だけに留まらず、観光化・地域の活性化を併せた橋梁工事は土木建造物の魅力を発揮させる。橋梁の長寿命化によってインフラ機能と観光資源の両方をレガシーとして後世に残すことができる。

(片岡 優介)

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