2021年7月3日に静岡県熱海市伊豆山地区を襲った大規模土石流は、甚大な被害を及ぼしました。わが国ではこうした土砂災害は、九州、中国地方を中心に年々大規模化、激甚化の様相を呈しています。そこで近年におけるこうした土砂災害の現状をデータで検証していきたいと思います。
土砂災害の発生件数が年々増加傾向

右図にみるように、国交省のデータから2015年~2019年における土砂災害(土石流、地すべり、がけ崩れ)の発生件数の推移をみてみますと、2015年では788件でしたが、2016年では1,492件とほぼ倍近く増えています。翌2017年は微増の1,514件にとどまりましたが、2018年は3,459件と大幅に増加しました。2019年は1,996件と減少しましたが、2018年は異常値とはいえ、ここ5年間でみても土砂災害が年々増加傾向にあることは明白です。
2018年は国交省が土砂災害の集計を開始した1982年以降最多件数を記録した年であり、大分県中津市、福岡県北九州市、北海道勇払郡、広島県安芸郡等の大規模土砂災害は未だに記憶に新しいところです。
土砂災害のうち最も多いのは「がけ崩れ」で、直近の2019年では1,419件に上り、土砂災害全体の71.1%を占めます。次いで多いのが冒頭に紹介した伊豆山のような土石流で478件、23.9%を占める状況となっています。
大雨や短時間強雨(ゲリラ豪雨)が土砂災害の主因
こうした土砂災害が急増した要因は諸説ありますが、とりわけ洪水や土砂災害を引き起こす大雨や短時間強雨(ゲリラ豪雨)の回数が増加が大きく影響しています。
気象庁によると、日降水量が200mm以上となる年間の日数を「1901年から1930年」と「1990年から2019年」で比較すると、後者の30年間は約1.7倍の日数となっています。短時間強雨についても、直近の10年間はその前の10年間と比較し約1.4倍の発生回数となっており、大雨同様に長期的に増加しています。
もちろん、こうした自然現象は地球の温暖化現象という気候変動がもたらした結果ともいえますが、大雨や短時間強雨で地盤の軟弱化が加速され、土砂災害が起きやすい状態になっているといえます。

土砂災害に強い建材、システムの強化が求められる
今後も土砂災害は増え続け、被害も甚大化するものとみられます。我々は被害をいかに未然に防ぐかに尽力する必要があります。
土砂災害に強い建材、システムは市場において必須なアイテムであり、建材メーカー様におかれましては、改めて「防災」「減災」という視点に着目し、商品、システムの開 発を強化して頂きたいと考えます。
(鈴木和雄)
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