エンターテイメント型球場

読売新聞グループと読売巨人軍、東京ドーム、三井不動産は2021年12月13日、東京ドームで過去最大規模のリニューアル工事を実施すると発表した。確か1988年に新設されたから、33年経てのリニューアル工事である。そこで、30数年前に大手ゼネコンから受注した調査案件を思い出した。それは、東京ドームの様なドーム球場が、今後どれだけ建設されるか、その潜在需要を地域別に予測せよ。の案件である。

調査基準は、「100m/辺以上のスポーツ施設大空間が可能な地域を探す事」。調査方法は、全国の地域(市)毎に、公開情報の収集と電話調査を行い、その結果について分析を行う。この情報収集の範囲を決めるのに何度も打合せ。その度に、最終電車の時間まで打合せしたことを思い出す。

そんなやりとりで、最終的に決定した情報収集の項目とは、各地域(市)別に、①人口・世帯②保健体育費③スポーツ用品消費額④財政力⑤商店販売額⑥銀行貸出額を、朝日新聞出版の「民力」(現在は廃刊)から抽出。そして、その項目ごとに、成長率を1~5ポイントに定め、高い成長率の地域を選んだ。更に、スポーツ施設数や大型イベント開催数、降雪日数や降雨日数も判断材料に加えた。もう一つ加えたのは、その地域の市長が、与党か野党か。ゼネコンの発想を勉強させられた。

調査結果は、約15の地域にドーム式球場の施工可能性があると判断。そこには、「大阪市」「札幌市」「福岡市」「名古屋市」「所沢市」も該当しており、その市に調査結果通りにドーム式球場が建設されたのは嬉しかった。
それらの球場も建設して約30年を経て、東京ドーム同様にリニューアルの時期を迎えているのだろう。
どのようなリニューアル工事になるか楽しみである。

東京ドームのリニューアル工事は、①LEDビジョンの設置、②入場ゲートやコンコースのデザイン刷新、③観客席の新設、④キャッシュレス化などに向けたデジタル技術の導入を行う。目玉になるのが、国内スタジアムで最大規模となるメインビジョンの新設である。その大きさは、既存メインビジョン(面積約238㎡)の約4.4倍にあたる約1,050㎡。メインビジョンの新設に併せて最新の映像送出制御システムや照明制御システムを導入して、音楽や照明と連動した映像を映し出せるようにしてある。完成はオープン戦が始まる2022年3月としている。

新庄剛志ビッグボス率いる、日本ハムファイターズの新球場ボールパーク(北広島市/2023年3月開業)も注目である。360度回遊型コンコース、世界最大の大型ビジョン、選手のプレーを間近に見られるフィールドレベルの客席を設置、など今までにない新しい球場づくりを行っており、球場はエンターテイメント型の始まりである。

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