調査物語

海外調査は、国内でプレリサーチを・・・

今まで受託した海外調査は40案件程度。全体の受託案件数からみれば1.6%にしか過ぎない。弊社は海外専門調査会社ではないので、案件数が少なくても特に気にはしていない。それでも、クライアントの希望に添えればと思い中国(上海)、米国(LA)の会社と業務提携はしていた。しかし、両社とも消費者調査を専門としており、海外の競合企業や取引企業の内情調査、特定建材の市場動向調査は不慣れで、調査ができない。そのため、両社には消費者調査に限り発注している。今は国内企業から海外の消費者調査の依頼案件が殆どなく、両社に発注している頻度は少ない。

弊社は建設に特化し、特定建材や設備の市場動向、競合企業動向調査を得意としているので、海外でも同じ調査ができるのではと思い国内企業から相談がくるケースと海外専門調査会社に調査を委託したら200万円~300万円くらいはかかるので、その予算がとれない。そのような理由から弊社に相談が来るようだ。確かに弊社の海外調査費用は決して高くない。例えば北米における特定建材の市場動向調査で40万円~50万円程度である。

但し、その費用の場合、日本国内で調査出来る範囲を条件としている。調査項目は、北米における特定建材の調査の場合、市場規模、用途別市場動向、参入メーカー、メーカーシェア、特定建材の課題、今後の成長性が主な項目で、調査先は、大使館、商社、代理店、協会・団体、専門新聞社、国内の類似企業などから情報収集をしている。正直なところ現地へ行ってないので、調査の完成度は60%~70%と思っている。それでも市場の大枠は把握できるためクライアントには満足を頂いている。

そこで、今までの海外調査の主なテーマを紹介したい。
「ドイツにおける外断熱の市場動向調査」。この調査は国内で断熱材メーカーやゼネコンなどへの情報収集を行い、更に専門雑誌社からドイツの設計事務所を紹介してもらい、その設計事務所に文書でドイツの外断熱市場動向についてレポーティングしてもらった。調査目的は国内の外断熱の未来予測を立てるためだった。

「台湾のウレタン加工会社の実態調査」。この調査はウレタン加工会社のリストをクライアントから提供してもらい、そのリストの会社へ生産能力や加工品目、納入先を電話で調査。中国語で話さなければならず、日本に留学している中国の学生に依頼した。調査目的は、クライアントが取引したい先を発見するための調査だった。

続いて「中国上海における集合住宅の水回り設備の現状調査」。この調査は上海の集合住宅はスケルトンが多く、水回り設備(キッチン、トイレ、洗面化粧台)は施主が自らホームセンター等から購入し、当時配管工事は地方の出稼ぎ労働者が行っていた。そのため、配管工事のクレームが多くその実態を知りたいとのことで、国内のTOTOやINAX(当時)、既に上海に進出していたリフォーム会社から情報収集を行った。調査の目的は、上海に水回りの設備配管工事会社を作りたいのが狙いだった。
海外調査を行う場合、まず国内で情報収集してみては如何でしょうか。ある程度は調べられると思います。

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