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建築現場のアイアンマン!?パワーアシストスーツ!

工事現場のICT化が進み、人の負担は減りつつある中でも、「人でなければならない作業」はまだ多い。今回は人の作業を補助するパワーアシストスーツについて理解を深めてみたいと思う。

パワーアシストスーツとは

人が装着することで動きや身体能力を強化・サポートしてくれる外骨格や衣服に付随する装置を指す。バッテリーでの電動など動力が必要なアクティブタイプや、気圧やゴムなどで補助するパッシブタイプがある。また、補助する箇所としては腰、腕などで分かれている。

想定される使用用途は?

工事現場、倉庫・物流、介護、農作業など各分野でその効果が期待されている。国交省では令和3年度の検証にて、各地方整備局の直轄工事延べ15現場で実証を行っている。想定されるユースケースとして平常時に加え災害時(災害復旧)での活用を見越している。災害時は大型建機などの運用が難しいため個人単位での活用が可能なパワーアシストスーツの機動性が利点となる。また医療用では歩行訓練の補助のような、人体の動きをサポートする自立支援型もある。

建設業界での活躍も期待

建設業界では国土交通省が令和2年から、建設施工現場へのパワーアシストスーツ導入検討を行うワーキンググループを作り、検証を進めている。現在は「建設施工における現場作業者支援のDXに関するWG」の枠組みとしてドローン技術、XR技術(視覚拡張技術)と共に建設現場における生産性向上の施策となっている。

国交省では工事の作業内容や負荷など多数の想定の中で活用しやすいPASを模索している。国土交通省「パワーアシストスーツ現場検証事例集」(令和4年10月)より抜粋

令和6年度は適用工種の検討と直轄工事での実証と課題整理が予定されており、今後導入ガイドラインの策定、利用促進及び改良に向けた課題整理の後、実用・普及の予定となっている。旗振り役の国交省の動向、各メーカーの開発の動きや販売・レンタルの扱いなど要注目の分野といえる。

(担当:片岡 優介)

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