捨てる神がいれば拾う神がいる!

ートを発見!“なんだ!このノートは?” B5サイズの大学ノート数冊に、門外不出の工場の勤務体制の不満、生産方法の課題、機械のトラブル等、絵付き、グラフ付き、上司の似顔絵付きで、私の知りたい情報が走り書きであったものの、たくさん書かれていたのには驚いた。
この仕事、実は調査難易度Aクラスの『競合企業大阪工場の●●商品の生産戦略を調査せよ!』でした。今ではコンプライアンスの関係で調査依頼もないし、調査する人もいない。受注する気もありませんが、数十年前にはこのような内容の調査依頼が年間に数本ありました。

阪工場の生産戦略調査は、この業界に入って3年位経った頃だと思う。無我夢中で調査をし、調査が面白いと感じていた頃でもあったので、上司の命令で気楽に引き受けたのは良いが、どこから手を付けて良いのか、どの様な切り口で、競合企業の工場技術担当者にアポイントを取れば良いのか、悩み考えた。勿論、会ってもらえても、知りたい話を聞けるとは限らない。
悩み考えた結果、不可能を可能にする調査手法のヒントが。それは、工場技術担当者が、私と会うメリットは何か?を考えた。“そうだ、生産効率が良い機械の相談と言ったら会えるかも?”そう思って回りを見渡したら、新しい機械を開発し販路拡大をしたいと来社した▲▲会社を思いだした。早速、▲▲会社の担当者に趣旨を説明し許可をもらい、大阪工場の技術担当者へアポイントを取って飛んで行った。

京駅で、取材謝礼のお菓子を買い、新幹線の中で質問項目を整理し、始めは機械の説明から入って、徐々に工場の生産戦略に話を持って行けば上手く行くと考え、アポイントも取った事もあり、余裕で大阪工場の担当者と面談。しかし、そう簡単には行かなかった。説明している機械の専門用語に十分な回答が出来ず、生産戦略の話に触れる事も出来なかった。ただ、顔を真っ赤にし、額には流れる汗、いやいや情けない気持ちで、その工場を後にした。面談時間約30分。直ぐに最寄駅に向かえず、肩を落としながら工場を一周。時々塀越しにジャンプするが、高い塀の中が見えるはずもない。不可能はやはり不可能だった。

めて、工場近くの喫茶店に立ち寄り、コーヒーを注文。そして、旅行者やお客さんが思いのままに書いている何冊かの大学ノート「思い出ノート」を発見。早速、手に取ってパラパラめくっていたら、“なんだ!こりゃ!”。そこには、大阪工場の従業員の不満や上司の悪口、そして工場の会議の内容等が簡単ではあるが書かれていた。多分昼食や休憩時間に、このお店に来て書いているのだろう。もっと驚いたのは、管轄法務局に行けば工場登記簿が閲覧でき、そこには機械のメーカー名や名称が記載されている事が分かった(当時は閲覧できたが今は分かりません)。早速法務局へ飛んで行き閲覧。調査不可能と思っていたが、逆転満塁ホームランの喜びを感じた。今では、この様な生産戦略調査に疑問を感じているが、私にとっては、有り難い経験をした忘れられない調査の一つである。もうやりたくはないが・・・(つづく)。 

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