“建築のマーケティング会社があるのを知らなかった”“建築のマーケティングリサーチって何をするのか”。講演会や報告会に行く度に、参加者から良く耳にする言葉である。その言葉から、まだ建築マーケティングは、深く理解されていないと感じる。約30数年前の話だが、バブル時代の建築マーケティングは、「飲む」「打つ」「買う」と、営業先のゼネコンから言われた事を、はっきりと覚えている。要するに、当時は、建築分野にマーケティングは必要ないと言う事であった。勿論、昔と今は違うが。
それが、徐々に変化し始めたのは、1988年の東京ドーム建築からだと思う。バブル崩壊により、ゼネコンの営業活動が、待ちの営業から攻めの営業へと変わり始めた事による。攻めるには、規格建築による提案型営業が必至となった。その規格建築がドーム施設である。当時、スーパーゼネコンから、「今後のドーム施設の建築ニーズと需要分析」について調査受託をした事があった。目的は、エリア別にドーム施設のニーズを知り、その自治体にドーム施設の提案をするとの事。その調査項目は、総人口、スポーツ人口、財政力、公営競技施設数、降雨降雪日数等であった。バブル崩壊後あたりから、建築分野のマーケティングが必要と認識され始めたと思う。
あれから、約30数年経過し、建築分野のマーケティングは、それなりに進化したと思うが、まだ、ターゲットを箱モノと捉えている企業が多い。ターゲットは、箱モノで過ごす人達である。是非、その人達を満足させるマーケティングを実践して欲しい。新築需要から改修市場への変化、ストックリノベーション、職人不足、働き方改革、安全対策、耐震化、省エネ、IoT等、建築を取り巻く環境が変化している昨今、そこには、技術開発、商品開発、サービス開発のニーズが沢山あるのだから。