調査って何をするの?”、“御社は調査したい商品を理解出来るの?”、“調査した結果が事業に生かせるの?”
全てのクライアントではないが、新規クライアントと面談すると時々聞かれる。また、調査をアンダーグラウンドとして捉えている雰囲気を感じる時もある。何故、そんな質問をするのか。多くの調査を手掛け問題解決をして42年(起業して35年)。その私には、不思議な言葉に聞こえる。“調査をせずして新規事業や商品開発が出来るのか!”、“今の時代に調査をアンダーグラウンド!”、“そんな初歩的な質問!”と言いたいが、弊社に連絡があったと言う事は、調査をしたい思いがあるからと、一呼吸して、弊社の建設業界での調査事例について説明をしている。
弊社の説明を終えた後に、“今まで調査を委託した経験がありますか?”とクライアントに問うと、調査専門機関へ委託した経験が少なく、新規クライアントが行っている調査と言えば、営業マン、取引先、新聞、専門誌、webから情報収集を行い、それを調査としている。勿論、それらも調査手法であるが、その手法では、新規事業や商品開発を行う調査としては限界がある。なぜなら、深層調査が出来ないからである。本当に知りたい情報が、それらの調査で分かるはずがない。それに、営業マンや取引先の情報や調査では、偏りがある。
そもそも調査とは何なのか。調査とは、ある市場や商品の実態や動向の究明を目的として物事を調べる事。英語で言うと「survey」「research」の2つの呼び方がある。「survey」とは、世論調査や、アンケート調査のような一般の人を対象にした調査。「research」とは、調査研究や学術研究等の研究色の強い調査。一般的に、調査する人を「researcher(リサーチャー)」と言うが、研究者とも言う。要するに、私なりの解釈だが、調査とは研究であり、営業マン、取引先、新聞、専門誌、webからの公開情報の収集で、新規事業や商品開発が成り立つ訳が無い。新規事業や商品開発を行うには、深層調査の研究が必要であると言いたい。
会社設立時(35年前)、電話帳に市場調査会社やマーケティング会社の括りは無く、興信所、家屋調査会社等の括りで記載されていた。その為に、浮気調査や人探し調査の連絡が入った事がある。電話での問合せなら、弊社を知らないので、まだ我慢できるが、取引しているクライアントの担当者から、“娘の結婚相手の素行調査をして欲しい(ほんの一例)”との相談には、“市場調査を何だと思ってるのか!!” と怒りを覚えた。それだけ、市場調査や市場調査会社の認識が浅かった時代。クライアントが聞けない情報を聞きとったり、研究する事が好きな私だったから、探偵やスパイに思えたのだろうか。当時、「聞けない事を聞く、不可能を可能にする伊藤」と言われて、舞い上がっていた自分を思い出す(つづく)。