サンプル品購入

2019年4月号で書いた、新潟県神立高原スキー場で実施した寒く辛いゴムタイヤチェーンのアンケート調査の第二弾。タイヤチェーンをフックする留め具について話をしたい。アンケート調査が先か、留め具の調査が先か、はっきり覚えていないが留め具の調査は通常の調査とは全く異なるので、その内容を説明したいと思う。クライアントは大手ゴム会社。だからゴムの加工技術は特に問題無い。問題は、タイヤにゴムチェーンを装着する留め具(フック)について、技術も情報も無い。留め具の専門家がいるのかも分からない。そんな無い無いづくしからスタートした調査の話である。

調査目的は、「ゴムタイヤチェーン開発に必要な留め具の脱着技術や構造を知りたい」である。ちょっと待ってよ!それって、調査は調査でも技術調査。弊社が調査するよりも、専門家に直接話を聞いた方が早いのでは、と進言。すると仮に専門家がいても、ある程度の知識を積んでから専門家と意見を交わしたい。出来る限り自分達で情報収集し商品開発をしたい。その様な言葉が返って来た。クライアントの開発部門は、何ごともチャレンジする精神が旺盛なスタッフの集まり。付合いが長いので、彼らの仕事のやり方は分かっていたが、正直、専門的な技術調査なので自信がなかった。しかし、日頃お世話になっているクライアント。逃げるわけには行かない。考えた。一緒に考えた。どうすれば・・・。

えは、とてもシンプルだった。そうだ、サンプル品を集めて分析すればいいのでは。まず、フックする力が強く、簡単に脱着出来る留め具を使用している商品の一覧表を作成。次いで、その留め具のサンプル品をメーカー(販売店)へ出向き購入。そして、購入したサンプル品を開発部で分解・分析を行う。その手法を提案。開発部も、その手法に賛同してくれ早速に活動を開始した。

スキー板のビンディング ②ヨットのロープ留め具 ③シートベルトのロック(車・飛行機) ④ヘルメットの留め具 ⑤配管を繋ぐワンタッチカプラー ⑥病人搬送担架の留め具(ストレッチャー)、等々の一覧表を作成し、留め具の技術がメーカーで違うかも知れないことも想定し、複数購入。スキー板のビンディングは、お茶の水のスポーツ店へ、ヨットのロープ留め具はヨット販売店へ出向き、留め具が壊れたので、新しい留め具が欲しいと説明して購入。これを調査といって良いのかと疑問に思いながら、メーカーや販売店を回った調査でした。

かし、今振り返れば良い経験をした調査であったと思う。何故なら、モノを開発するのに既存商品の技術を、深く知らなければ新しいモノは創れない。当然である。専門家から知識を得るのも良いが、まずは自ら体験して技術を知る事が重要であると、留め具を分解している開発部スタッフに教えられた。更に、留め具が付いたゴムタイヤチェーンが開発された時の喜びも教えてくれた。最終的に留め具は、独自技術で自ら開発するに至った。調査は視点を変えれば、それなりの回答が見つかるんだと感じた調査でもあった。遠い昔の話です。

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