ハラハラドキドキの講演会企画

「BiCさん調査じゃないけどできるかな?」思いもよらないクライアントから突然の相談に、NOと言えない日本人。いやNOと言えない私の性格。NOと言うと仕事が逃げて行くようで、それに調査案件を頂いているクライアントでもあり、直ぐに断る事も出来ず、しばらく時間をおいて「でも、なぜ弊社なんですか?」と聞くと、「BiCさん、建築家に繋がりがあるでしょう。だから仕事が早いと思って」。弊社を信頼して相談してもらったのは嬉しかったが、ハラハラドキドキの初経験の始まりです。20年前の話ですが・・・。

その初経験とは、講師の手配、会場の手配、進行スケジュールの立案、立食パーティーの準備。もう分かったと思います。そうなんです。講演会の企画と実施です。テーマは『新商品発表記念講演会』。クライアントはフィルムメーカー。新商品を数年ぶりに発売するので、著名な建築家を招き、派手に記念講演会を、東京と大阪で開催したいとの事。募集参加数は各々の会場で200名ずつ。
いやいや・・・経験のない弊社では無理でしょうと思ったが、建築家と繋がりがあるでしょう。と言われたら出来ませんとも言えず、結局、受託する事を前提に私と女性アシスタント2名で、早々に企画立案。東京、大阪とも8月開催。開催まで2ヵ月しかない。

まずは、早急に講師の手配。講師は、クライアントの要望で、安藤忠雄氏、伊藤豊雄氏、谷口吉生氏、出江寛氏、鈴木エドワード氏、など著名な建築家約8名が候補に挙がった。しかし、その候補者の建築家が、フイルムメーカーの講演を引き受けてくれるかどうか分からない。その不安を抱きながら、建築家の事務所に連絡したが、やはり、電話の段階で断わられたのが半分。会って話を聞きましょうと言ってくれたのが半分。しかし会ってくれたものの講演テーマやスケジュールが合わない、等で結局断わられる。もし、候補者全てが講師を引き受けてくれないとなったら、新たな候補者を見つけなければならない。正直、胃が痛かった。講演テーマは『インテリアとエクステリアのインターフェース(接点)』である。

しかし、神様はいるものですね。最後の一人。鈴木エドワード氏。鈴木エドワード氏と言えば、建築の仕事だけでなく、ファッシン雑誌のモデル、など幅広い活動で著名な建築家。そんな著名人が、フィルムメーカーの講演を引き受けてくれるだろうか。そんな不安を抱えながら、鈴木エドワード氏の事務所へ向かった。事務所は、表参道にあって、オフィスの真ん中に天井まで届く、直径30cm位の木が置かれていた。さすが建築家の事務所と圧倒された。事務所でしばらく待つと、秘書の方と一緒に鈴木エドワード氏が現れ、フイルムメーカーの趣旨を額に汗をかきながら、一生懸命説明。その結果、快く講演を引き受けてもらった。嬉しかったですね。安堵しましたね。まずは、第一関門突破。

続いて、200名を収容できる会場の確保。東京は、イタリアデザイン界の重鎮マリオ・ペリーニが手掛けた、東京デザインセンター(ガリレアホール)。大阪は、リッツカールトンホテルを確保。さらに、講演の進行司会者の手配。進行マニュアルの作成。今思えば、本当に未経験ながら良くやったと思う。参加者は、東京が248名、大阪が166名。 業態は設計事務所、ゼネコン、デベロッパー、ハウスメーカー、家具メーカー、建材メーカー、など多岐に渡っていた。講演会終了後、鈴木エドワード氏から「お疲れ様」と握手を求められた事が忘れられない。私は、講演会終了後、熱が出てダウン。お世話になった、鈴木エドワード氏は、昨年71歳で死去したのは残念でならない。有難うございました。

カテゴリー弊社が収集・分析した建設業界に関するデータや市場動向の情報、ちょっと一息タイムにご覧いただけるコラムなど建設関連の情報収集に役立つコンテンツを集めたライブラリーです
全国建築計画物件情報「KJ-NET」概要
全国建築計画物件情報「KJ-NET」基本活用編
TOP