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建設業界における「2025年問題」とは

11月も終盤となり、寒さと共に年末に向け慌ただしさを感じる時期になりました。2024年は、作業員の時間外労働に上限規制を課す「2024年問題」への対応に追われるのではないでしょうか。加えて建設業界では、建築基準法の改正に伴う「2025年問題」への対応も差し迫っています。今回はこの「2025年問題」について解説したいと思います。

20254月に建築基準法が改正

周知の通り、2025年4月以降、住宅を含むすべての新築の建築物が、断熱材の厚さや窓の構造等省エネ基準(平成28省エネ基準)を満たすことが義務化されます。

出典:国交省

建設業界における「2025問題」とは、上図に示しましたが、2025年4月に施行される建築基準法の改正を指します。脱炭素社会の実現に向けZEH化が進む一方で、重量化に伴い、従来の設計では壁耐力が不足する懸念が指摘されています。

こうした状況下、国交省では2022年10月に「木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応する為の必要な壁量等の基準(案)の概要」を公表、2025年4月に建築基準法施行令等の改正が行われることになります。

このうち特に壁の構造基準では、①壁量計算における必要な壁量の基準について、建築物の荷重の実態に応じて計算により求める精緻な方法を新たに位置づける、②現行の壁量の確認方法として新たにZEH水準等の建築物に対応する基準を追加する、といったことが検討されています。こうした基準の見直しにより、今後に必要な壁量は現状の1.3~1.5倍になるのではないかと指摘する向きも見られます。

ただ、こうした法改正に対しては、大手ハウスメーカーや一部の先進的なビルダーの間では周知の事実で、それなりの対策を講じているようですが、業界全体ではまだ認知度が低く、工務店を中心に今後いかに問題提起を図っていくかが重要といえます。

BiCはマーケティングリサーチで貴社の事業戦略を支援します

木造住宅の耐力壁は筋交いと耐力面材に分類されますが、施工の合理化や性能確保の点等で耐力面材が近年伸びており、中でも木質系の構造用合板が市場を牽引しています。合板は壁や床、屋根の下地材などとして使われますが、特にJAS構造用合板が手軽に住宅の耐震性能を向上できることから、構造用壁材として壁や屋根の下地材としての採用が増えているようです。今後は、より壁倍率が高い耐力壁の需要が増大する見通しです。

2030年には省エネ基準がZEH基準レベルに引き上げられる予定です。住宅の省エネ化、重量化に対応し、安全性を確保する為、構造規定が見直されます。BiCはこうした市場やユーザーニーズの変化を捉え、マーケティングリサーチで貴社の事業戦略を支援します。

(担当:鈴木 和雄)

 

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