洗面化粧台を玄関や廊下に

パナソニックホールディングス(HD)傘下で住宅設備を手掛けるパナソニックハウジングソリューションズ㈱は8月発売する洗面化粧台の新製品を発表した。従来の設置場所である脱衣所だけではなく玄関や廊などでの設置ニーズにも応える。洗面化粧台の置き場が自由になることで間取りを工夫でき、狭小住宅にも対応できる。標準価格は48万円台から。

「用途が多様化しているのに洗面と化粧の台となっている。洗面化粧台という名前はやめる」。水回りシステム事業部でマーケティングを担当する窪井健司氏は思い切った。「パナソニックドレッシング」という名称でカテゴリーを再定義した。ドレッシングには生活を彩るという意味を込めた。
名称が新しくなったカテゴリーの普及価格帯で新商品を発売する。「脱・脱衣所」を掲げた提案をする。新型コロナウィルス禍以降、子どもが家に帰って来た時や来客時に家に入ってすぐ手を洗えるように玄関や廊下に手洗い場を設けるニーズがあるという。

リビングでも設置ニーズがある。ガラスの中でコケを楽しむ「テラリウム」や生け花などを趣味にする人が一定数いる。キッチンでも水の入れ替えなどはできるが、食品を扱う場所に植物や土を持ち込むことに抵抗を持つ人も少なくないという。寝る前に肌のケアをするといった使い方を想定して寝室でも設置できる。

1つの洗面化粧台で色々なことができるように、カウンターを広めに設計した。パナソニックハウジングソリューションズ㈱は30~60代の男女約300人を対象にアンケート調査を実施。洗面化粧台での行為を調査したところ、デスクワークといった回答もみられた。共働きの在宅ワークで、洗面カウンターをデスク代わりにしているという。
脱衣所から脱出することで、人目につく機会も多くなるため、デザインもこだわった。パナソニックハウジングソリューションズ㈱では暮らし方に合わせてキッチンやリビングなどの色やデザインを統一する提案をしている。洗面化粧台を含めることで、脱衣所外でも生活に溶け込ませる。

住宅は狭小化が進んでいる。住宅価格が高騰している一方で、日本全体の平均年収は横ばいだ。住宅ローンの借入上限額は変わらないため、予算を抑えようと面積を小さくせざるを得ない。こうした状況から快適に過ごせる家の提案が重要になる。1台の洗面化粧台で多用途に使えることは背景に合致する。
洗面化粧台は下部に扉付きの収納スペースがあることが多い。新商品ではそのスペースをなくし、床から浮かせることでゴミ箱などを自由に置けるようにした。部材を減らすことで、16%価格を抑えることができた。

発表会に登壇した住宅デザイナーのタブチキヨン氏は「洗面化粧台をどこに置くかで家の間取りは変わる」と語る。間取り変更を含めたリノベーションでも選択肢に入る。
窪井氏は「これまで機能訴求が中心になっていた。掃除のしやすさや収納量の多さなどが長年、商品の競争軸として存在していた」と話す。あえて収納スペースを減らしたり、多用途で使えて設置場所の自由度が高いことなどを訴求することで、競合他社と差別化を図る。(日経MJ)

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